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中皮腫診断におけるCDKN2A FISHの案内

中皮腫診断におけるCDKN2A FISHの案内

中皮腫の診断には(1)増殖している細胞における免疫染色による中皮起源の確認、(2)中皮細胞の良悪の判定(中皮腫vs反応性中皮増殖の鑑別)の2つのステップがあります。特に(2)においては、早期の上皮型中皮腫vs反応性中皮過形成 および 線維形成性中皮腫 desmoplastic mesothelioma vs 線維性胸膜炎 fibrous pleuritis の鑑別が難しく、問題となります。この際に、免疫染色によるBAP1蛋白の核からの消失(BAP1 loss)および FISHによるCDKN2A遺伝子のホモ接合性欠失(ホモ欠失)の確認が有用です。共に中皮腫のみに認められて、反応性中皮増殖では見られません。CDKN2Aホモ欠失は、胸膜の上皮型中皮腫では60-70%に、肉腫型中皮腫では80-100%に認められます。その代替アッセイとしてのMTAP免疫染色もありますが、FISHで検出されるCDKN2Aホモ欠失の70%程度を捉えるにとどまり、また、線維形成性中皮腫などの密な膠原線維の増生を伴う組織では、内在性陽性コントロール細胞がなかなかよく染まらずに、判定が困難となるという問題があります。従って、FISH によるCDKN2Aホモ欠失の検出がより有用です。

この度、福岡徳洲会病院 病理診断センター/九州沖縄病理診断研究センターにおいて、求めがあれば、FISH によるCDKN2Aホモ欠失の検出を受託することとなりました。料金は、中皮起源の確認および良悪判定に必要な免疫染色(BAP1, MTAP等)、CDKN2A FISHを含めて20,000円(税別)です。報告書と共に結果をお返し致します。報告が終わった後に、福岡徳洲会病院と本件についての契約を結び、支払いをしていただくという手順です。
お申込みの際には、HE1枚と未染標本14枚(合計15枚)を、画像所見を含む臨床事項と共に下記住所までお送りください(申し込み書にはメールアドレスも記載ください。安全なBoxを用いてメールにて報告書をお送りいたします)。
どうぞよろしくお願い致します。

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(CDKN2A FISH)
右下の核は正常パターン(CDKN2Aの赤い蛍光マーカー2つと、セントロメアの緑色のマーカー2つが認められる)を示し、左上の核はホモ欠失(CDKN2Aの赤い蛍光マーカーが2つとも失われている)を示しています。

福岡徳洲会病院 病理診断センター/九州沖縄病理診断研究センター
センター長 鍋島 一樹
816-0864 福岡県春日市須玖北4丁目5番地
Tel: 092-573-6622(代表) Fax: 092-573-1733
Email: kaznabes@fukuoka-u.ac.jp

報告書(案)

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