第9回徳洲会病理部会学術集会
日時 |
2022年11月6日(日)午後2時00分~午後5時30分 |
2022年11月7日(月)午前9時30分~午後0時30分 |
場所 |
仙台徳洲会病院 (宮城県仙台市泉区高玉町9-8) |
内容 |
特別講演 |
九嶋 亮治(滋賀医科大学医学部病理学講座教授)
「自己免疫性胃炎の病理診断」
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教育講演 |
濱川 真治(公立昭和病院臨床検査科担当科長)
「細胞診材料を用いたセルブロックの精度向上を目指して」
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シンポジウム |
【中皮腫の細胞診】 鍋島 一樹(福岡徳洲会病院病理診断科部長)
上野 麻衣(福岡徳洲会病院)
「体腔液細胞診での中皮腫診断・単施設での検討」
松尾 優希(八尾徳洲会総合病院)
「当院における中皮腫診断の現状」
島村 幸一(湘南藤沢徳洲会病院)
「細胞診で中皮腫を疑った細胞像を振り返って」
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一般演題 |
山川 大地(成田富里徳洲会病院)
「腫瘤形成が見られず、急性虫垂炎として切除された虫垂goblet cell
carcinoidの一例」
程島 就(湘南鎌倉総合病院)
「当院の肺癌マルチ検査の現状とこれから」
梶原 龍弥(宇治徳洲会病院)
「当院における気管支鏡採取検体の処理方法についての検討」
加藤 拓(成田富里徳洲会病院)
「腎集合管(Bellini管)癌の一例」
藤岡 学(札幌徳洲会病院)
「良質な腎生検標本作製の工夫」
中谷 翔喜(名古屋徳洲会総合病院)
「セルブロック作製におけるアレイジェル法とチップ法の比較」
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資料 |
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第9回徳洲会病理部会学術集会報告書
2022年11月6日、7日 会場:仙台徳洲会病院
徳洲会病理部会は11月6日から2日間、宮城県で開かれた第61回日本臨床細胞学会秋期大会の会期に合わせ第9回学術集会を開催した。
佐野 憲先生(仙台徳洲会病院病院長)
学術集会の様子
仙台徳洲会病院病院長の佐野憲先生と病理部会副部会長の寺田信行先生(八尾徳洲会総合病院)の挨拶で開会した。佐野先生、事務長の片岡隆行氏をはじめ病院関係者のご協力により充実した会となった。
寺田 信行先生
(徳洲会病理部会副部会長/八尾徳洲会総合病院)
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学術集会の企画、運営
学術委員長である丸山理留敬先生(山陰病理診断研究センター長/出雲徳洲会病院)と事務局により、特別講演、教育講演、シンポジウム各1題、そして一般演題6題を設定した。新しい試みとして2021-2022年の新任常勤病理医師と技師の紹介が行われた。この他に本年新たに設置した研究委員会の活動報告及び技師運営委員会報告が行われた。
丸山 理留敬先生
(徳洲会病理部会学術委員長/出雲徳洲会病院病理診断科部長)
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特別講演
丸山先生司会のもとで、胃の病理に関しては日本を代表する病理医の一人である九嶋亮治先生(滋賀医科大学病理学講座教授)に「自己免疫性胃炎(AIG)の病理診断」について講演して頂いた。早期、進行最盛期、進行終末期の組織像について平易に解説して頂いた。今後のAIGの病理診断に非常に有益な講演であった。
九嶋 亮治先生
(滋賀医科大学医学部病理学講座教授)
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教育講演
樋口佳代子先生(沖縄共同病院病理診断科部長)の司会のもとで、濱川真治先生(公立昭和病院臨床検査科担当科長)に「細胞診材料を用いたセルブロックの精度向上を目指して」という題で講演して頂いた。胸水の細胞診材料を用いた、セルブロック作成法についての長年に渡る豊富な経験、研究成果に基づいた明快な講演であった。特に濱川先生が詳細な検討をされていた、遠沈管法の改良法についての話は、セルブロック作成において非常に参考になるものであった。
濱川 真治先生
(公立昭和病院臨床検査科担当科長)
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シンポジウム
日本を代表する中皮腫の専門家である鍋島一樹先生(九州・沖縄病理診断研究センター長/福岡徳洲会病院病理診断科部長)の司会のもと「中皮腫の細胞診」のテーマで3題の発表があった。体腔液細胞を用いた中皮腫の診断では、①異型細胞の把握、②異型細胞が中皮起源であることの確認、③異型細胞の良悪の判定が必要なステップであり、そのためには異型細胞診断の基準、免疫組織化学染色・FISH法の活用が重要であるが、各施設で実際に経験した多数症例の診断状況についての報告があった。体腔液細胞を用いた中皮腫の診断に役立つシンポジウムであった。
鍋島 一樹先生
(九州・沖縄病理診断研究センター長/福岡徳洲会病院病理診断科部長)
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一般演題
徳洲会施設より6題の発表(医師1題,技師5題)が行われた。2例の稀な癌の症例報告があった。他にセルブロック作成法の検討、良質な腎生検標本作製の工夫・改良、肺癌マルチ遺伝子検査の解析不能例を減らすための検討、気管支鏡採取検体の処理の改善等の報告があった。これらの報告は、各施設が診断、遺伝子検査の精度向上に努力していることを示す報告であった。
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総会
青笹克之先生(徳洲会病理部門最高顧問)による、「病理部門のこれまでの経過、現状、今後の方向」に関してのビデオでのメッセージがあった。2013年に11名であった常勤病理医は2022年11月現在では40名に増加し、又、非常勤医50名、常勤病理技師117名の規模に成長して、我が国有数の病理集団となっていることが紹介された。保険医療機関間の病病連携による病理診断の推進を基軸とした活動を通して、地域医療への貢献を一層促進していこうとの呼びかけがなされた。
青笹 克之先生
(徳洲会病理部門最高顧問)
コロナ禍の中にも関わらず、40名を超える参加者を得て活発な意見交換が行われた。参加者へのアンケート結果では集会内容について9割以上が非常によかった、よかったと回答している。2023年11月には節目となる第10回学術集会を福岡徳洲会病院で開催する予定である。
TEL 072-993-8501(八尾徳洲会総合病院代表)
徳洲会病理部会事務局 担当:猪飼 まで